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リプトンで紅茶の勉強してきた

最近紳士すぎるのでサー・トーマス・リプトン・ティーハウス銀座でティーコーディネーターコースのベーシッククラスっていうのを受講してきた。

有楽町にあるリプトンのティーハウスで、紅茶の講習会みたいなのをやっているので受けてきた。1日がかりで学んで2万円。紅茶とお菓子付き。

朝、教室に入るとテーブルの上にティーウェアが並べられていて、すでに来ていた受講者が3名、椅子に座ってくつろいでいた。都外から来たらしい。というか今回の受講者で都内は1人だけだった。まあ八王子は実質山梨神奈川みたいなもんなのでほぼ全員都外である。

受講者の数は後からやってきた2名を含め、6名。うち2名が男だった。

今日使用するテキストと一緒に、会員カードをもらった。ティーコーディネーターコースを受講すると、リプトンの会員になれる。紅茶が3割引きくらいで買えるらしいけど正直リプトンあんま飲まないので使い所があるかは微妙。

時間になると女性の講師がやってきた。1限目が始まる。ちなみに今回受けるティーコーディネーターコースのベーシッククラスは1日集中コースになっていて、全部で4つの講義を受講する。最初の講義は英国紅茶の歴史と文化だった。

まずは軽く挨拶と自己紹介をした。喫茶店を経営してる人や、元英国在住のマダムの中で明らかに自分だけ浮いていたけど、浮くのは慣れているのでどうということはなかった。

講義が始まった。と言ってもそんなに硬いものではない。1限目は英国紅茶の歴史と文化だけど、歴史と文化の前に簡単に茶そのものについて学んだ。

狭義の茶はチャノキ(学名をカメリア・シネンシスという)の事を言い、このチャノキから紅茶、緑茶、烏龍茶が作られる。これは聞いたことがあった。チャノキは傷がつくと酵素の働きで発酵が進むらしい。この発酵は熱を加えると止まるらしく、茶葉を摘んですぐに熱を加えて発酵を止めると緑茶(不発酵茶)、程々に発酵させてから熱を加えると烏龍茶(半発酵茶)、そして完全に発酵させると紅茶(発酵茶)になるという。これは初めて知った。

これにハーブティや麦茶などのチャノキ以外を利用した茶外茶と言われるものを加えると、広義の茶になる。

そんな感じで簡単に茶そのものについて学んだ後、英国で紅茶が嗜まれるようになるまでの歴史とか、紅茶文化について学んでいった。

途中で先生が紅茶を入れてくれて、それを飲みながら講義を聞くというかなりゆるい感じだった。やはりプロが入れるとうまい。

昼休憩を挟んで2限目が始まった。2限目は紅茶の入れ方の基本を学ぶ。テーブルの上には1人用のポットに茶こし、砂時計が並んでいる。これを使って、実際に自分で紅茶を淹れるのが2限目の流れ。

紅茶の淹れ方の基本にゴールデンルールというのがあるらしい。ルールは4つ。1つ、紅茶はティーポットで淹れること。2つ、茶葉の量はティースプーンで計ること。3つ、お湯は沸騰している熱湯を使うこと。4つ、砂時計等で蒸らし時間を図ること。これを守ると美味しい紅茶ができるらしい。

まずは先生が実演してくれる。湯をグラグラに沸かし、ポットとカップを温める。ポットのお湯を捨てたらティースプーンで人数分の茶葉を入れて、沸騰したお湯を適量、一気に注ぐ。注いだらすぐに蓋をして砂時計をひっくり返す。

流石はプロ。無駄のない動きだった。湯を注いだあと、茶葉がきれいにジャンピングしている。この時茶葉が上下に分かれるが、これで正しいらしい。上下に別れた茶葉の間を、細かい茶葉がくるくると回るというのが、きれいなジャングだという。

お手本を見せてもらったあとはいよいよ実践。テーブルの上には各人それぞれポットが2つに茶こし、カップアンドソーサーが並んでいる。

ポットが2つあるのは、今回ポット to ポットという入れ方をするから。その名の通り、抽出の終わった紅茶をティーカップではなく別のポットに移す入れ方のことで、こうすることで余分な抽出を防いで最後までちょうどいい濃さで紅茶を飲むことができる。

各自ティースプーンで茶葉の量を図り、抽出用のポットに入れた。今回は3杯分作るので3g x 3杯で9g、ティースプーン一匙が3gなので3回すくってポットに入れる。3ばっかだな。お湯は先生が注いでくれたので、後は蓋をして蒸らすだけ。砂時計をひっくり返して3分計る。

3分後、完成した紅茶をもう一つのポットに移し替える。最後の一滴、ゴールデンドロップまできっちりと入れる。ちなみにどのタイミングがゴールデンドロップかは割と自分のさじ加減で決めていいらしい。でないと無限に雫が出てくるので、いつまで経っても入れ終わらない。紅茶が冷める前に程々に切り上げたほうがいいらしい。

ポットに移し替えたら、今度はカップに注ぐ。透き通った水色に良い香り。口に含むと程よくキレのある苦味。成功っぽい。かなり美味しく入れれた。簡単なルールをいくつか守るだけでここまで味が変わってくるのかとびっくり。

休憩の後、教室に入ると5種類の茶葉がテーブルの上に並べられていた。3限目は世界のいろいろな紅茶とテイスティングという講義。ダージリン、アッサム、セイロン、ケニア、キームンをテイスティングし、それぞれの違いを学ぶらしい。

それぞれの紅茶がかなり濃い目(通常の3倍)に淹れられている。これを音を立ててすすって飲む。基本的に音を立てて飲むのはマナー違反だけど、テイスティングではこれが作法とのこと。プロもそうやってるらしい。

味だけど、結構違った。特にキームンは一発で分る。ほぼほぼ漢方。ダージリンはマスカテルフレーバーが強い。それ以外も風味は違うけど、正直どれがどれかわからなかった。

テイスティングのあとはいよいよ本番。休憩を挟んでアフタヌーンティーを実践する。教室の中にはザ・アフタヌーンティーって感じの3段重ねのやつが準備されていた。

下からサンドイッチ、スコーン、焼き菓子の順で並んでいる。これがオーソドックスなスタイルらしい。

伝統的なアフタヌーンティーの菓子は基本的に焼き菓子で、すべて手で食べる事ができる。当時の貴族社会ではゼリーとかを出すと「昼食のデザートの残り物を出してる」とバカにされたらしい。

もともとは3段重ねの皿ではなくて、給仕がワゴンで運んでいたらしく、時を経るにつれて無人ワゴン、三段皿と変化していったという。

茶請けは基本的に最初から最後まで出しっぱなしなので、乾燥に強いものが選ばれる。サンドイッチは乾燥に弱いので、湿度を保つために上に野菜が乗せてあるらしい。

食べる順番は下から。軽食としてサンドイッチ、スコーン、そして茶菓子らしい。

最もこれはかなり伝統的な作法で、今は基本的に好き勝手やっていい。ゼリーとかも全然オッケー。楽しむのが本質だって言ってた。

そんなことを学びながら、食べて飲んで終了。いろいろ勉強になったし、食べ物は美味しいしで最高だった。

一度淹れ方を学んでから自分で淹れた紅茶を飲んでみると、やっぱり学んだあとの方が断然美味しい。機会があったらティーコーディネーターの資格も取りに行きたい。

最後におすすめのツールを紹介しとく。

HARIO (ハリオ) 茶茶 ・ フラッティ 450ml CHF-45GG

HARIO (ハリオ) 茶茶 ・ フラッティ 450ml CHF-45GG

まずはティーポット。ちょうど3杯分くらいのお茶が入れれる。ガラス製なので茶葉のジャンピングも見れて楽しい。

水出しにはこれ。ルピシアの大きめのティーバッグを2つ淹れて水を入れて放置すると最高の水出し紅茶ができる。

スポードのカップアンドソーサーは値段もそこそこ安いしおすすめ。割れても心が凹まない。特にブルーイタリアンが有名。クランベリーイタリアンっていう赤いやつもある。